春の初め頃のことでした。高校入試を控えた中3女子と、英語の長文をいっしょに読んでいた時の会話です。
○ ・・・ ああ、この miss ってさあ、ちょっと変わった単語だよね。日本語の「ミスす る」にもなってる「しそこなう」もあるけど、し損なう、から広がって「乗り遅れる」 とかさ・・・
◆ Miss you.
○ え?
◆ I miss you. って言うでしょ。
○ おおー! よく知ってるじゃん。もうすぐお別れの季節だから、I'll miss you. とか 言ったりね。
◆ I’ll miss you.
○ そう、「きみが居なくなると寂しくなるよ」。
◆ えへへ、そうなんだ。先生、ありがと💓
○ は? ・・・ だから、この miss って単語は ・・・
◆ ( I ) Miss you.
○ それだと、「きみが居なくて寂しい」とか「きみが恋しい」とかね。
◆ あは、ありがとね、先生💓
○ はあああああああ??!・・・だぁかぁらぁ・・・
◆ 英語で発音してみて、今の。
○ え? なに? えーと、I miss you.
◆ うん、そうなんだ、わかったよ、先生ありがと💓
○ は? そういうことじゃなくてェー
◆ じゃあ、Don't miss me. ね、ね、先生。あははははははははははは。
このようにして中3女子に、もてあそばれるオッサン塾講師なのでした。 これでいいのだろうか?!
このあとしばらくして、弓道部の高2女子から、こんな、どうでもいい話を聞きました。
※ 先生、知ってます? 弓矢の羽がついているところにね、弦をひっかける[ ハズ ]ってい うのがあるんですけど、知ってます?
○ 知らないよ。ナニ、それ。
※ だから、ゆみをひくときに、矢の後ろに弦を掛けるでしょ、そこの部品を[ ハズ ]ってい うです。
○ ははあ、そうなってんの、ふうん。
※ それでね、この間、練習終わって帰ってきたら、その[ ハズ ]が取れちゃってて、無か ったんですよ。
○ 取れるんだ、それ。へええ。
※ まあ、そうなんですけど。でね、次の日学校行って、隣の男子にその話をしてね、わた し言ったんですよ。「 そのとき思ったのがね 『 あれェ? [ ハズ ]がなくなってる? そんなあぁ、[ ハズ ]がないなんて、そんな [ ハズ ] ない [ ハズ ] なのにィ。もォ 』 ・・・ どう? これって、どう? うまくない? ねえ、ねえ。」って言ったんです。
○ お前なあ、その歳でなあ 、ただのオヤジギャグじゃん。全く、よくそんなこと同級生の 男子に言えるよなあ。ホント。
※ でね、でね、そしたらね、後ろの席も男子なんですけどォ、それ聞いててね、「それっ て [ ハズ ] かしくない? 」 って言ってきたんですよ。うまいですよねえ、これ。
○ ん、まあな( 苦笑い )。
※ でね、そしたら、今度は隣の男子がね、「 それ、的を射ているな!」って言ったんで す。どう!どう? すごくない!? 面白いでしょ! ね、面白いですよね!! すご くないですか、私達!!! ね、先生、ね、ね。あははははははははははははは。
いま、こんな生徒たちを相手に塾講師やってます。私はもういい加減オヤジなのに、今更なんでこんな目に会わなきゃならんのでしょうか。そこへもって来て、私が担当する大学志願の塾生は、なぜか、どうしてか、多くの場合E判定スタート(模試での合格可能性が20%以下。もちろん、ABC判定の生徒さんも他にいます。別の講師ですが。)。これ、どうやって志望校に合格させたらいいんですか。『ミッション・インポッシブル』じゃないんです。トム・クルーズになれるわけないだろおォと叫びたい。顔もスタイルも運動能力も、かけ離れすぎている、ついでに収入も! それでも、そう、私の非力で志望校に合格させられなかったとしても、せめて本人の納得いく結果は、達成したいものです。もちろん出来れば志望校にも! その mission こそが、塾講師の、生甲斐でもあるのですから。ああ、あのテーマ音楽が聞こえてくる ♪ 私の時代には『スパイ大作戦』したけれど。ともあれ、まずは、目の前の『不可能な任務・指令』に、非力な全力を尽くすことに致しましょう。