2020年3月13日金曜日

合格は運じゃない

今年は岩村田高校から、國學院大學・経済学部と人間開発学部両方ともにめでたく合格した塾生(現役生)が出たので、ちょっと、そのお話をします。

というのも、おそらく周りの友達や先生にとっては、意外だっただろうと思うからです。
いや、じっさいに本当に驚かれたそうです。そりゃそうだ。1年半前には、まったく下位の成績だったのだから。

あっ、〇〇くんごめん、本当のこと、公開の場で言っちゃった。許せ、もとい許してください、まあ、これも後に続く受験生のためだから、怒らないで・・・。



班活で県大会常連の〇〇くんは、ばりばりのスポーツマンです。
だから、というのは偏見ですが、当塾の国公立大受験チームに入った時は、その学業の成績から言って「これは厳しいだろうな」というのが私の所感でした。

なにしろ、遅い。

スポーツの成績は、速い。

でも、勉強は、遅い。

チームの他のメンバーについていくのがやっとでした。


ところが、チームがスタートしてから8ヵ月後の、夏の7月の事です。親や親せきと相談して、私大文系に切り替えると申し出があったのです。
国公立受験チームは、抜けると。

うーむ。正直なところ、じつに良い決断だと感心しました。
数学と理科をかかえては重過ぎる。
ならば、私大の中堅以上を目指すのは、沈着冷静な方向転換です。

こういうとき国公立大学にこだわって、その結果、国公立大もダメ中堅私大もダメというのはよくある話です。
なにしろ都会には、最初から科目を絞って、私大の上位や中堅を目指す連中がゴチャマンと居るのですから。
入試直前に私大に軸足を置いても、勝負にならない。

一方、センター試験は今年で一区切りなので、たとえ浪人しても、国公立大合格の再起を期すのは少しばかり冒険になる。


よか、よか。英語はこのまま、他に「日本史と古文」を合わせた一つの講座を別に設定して、出直せば、よか。令和の夜明けでごわす。じゃっどん、「ちぇすと、きばれ、いっど! よかごわすなッ。」(すみません、今ごろ「西郷どん」にハマってます)



このようにして、彼はチームを離れて、自分でよくよく考えて決めた志望校である、國學院大學・人間開発学部(本人の志望学部はこっちの初等教育学科なのです)を目指して、一人の戦いが始まりました。

もともと受験勉強は、自分の将来を見通した孤独な努力ですから、それでん、よかです。勝てば官軍じゃきに??(因みに、私は、会津藩出身だけんじょ、したっけえ、よかっぺぁ、さすけねえべ・・・)

そのうちどうやら腹が座ったのか、10月以降の集中力は見事なものでした。どんどん吸収します。
速度も上がった。
自らも問題集を選んで勉強する。
年明けごろには、日本史が「面白い」と言い、私に新しい情報を伝えるまでになりました。

これは、ひょっとしてひょっとすると・・・。

年末に、これまで解いてきた英語の問題の単語を、別刷りにして再チェック用として渡すときの事です。
秋から数えてそれが3度目だったのですが、

「これはもういいです。あとは、自分の持っているのを、終わらせますから」

!!! 

いやはや、もう自分の勉強の組み立てが、出来上がっているのです。

あああ、そうだ、あああ、そういえば、そうだった。

かつて、野沢南高生が国立大学に合格した年も、講座で解説した数学のプリントを、復習用として再度渡そうとした時に、同じことがあったっけ!あの時も

「有難うございます、でも、これは、もういいです。できますから」

と、彼は朗らかに応じたのでした!!!


合格は運じゃない。受かるべくして受かるのです。天を味方につけて。

〇〇くん、おやッとさんでした。見事、合格おめでとう。

自分の未来をかけて、みんな、後に続け。 ちぇすと、いけえ。

                    ・・・ ここらで、もう、よかろうかい。